僕に踏まれた町と僕が踏まれた町/中島らも
中島らものエッセイで、一番はこれだと思っています。
神戸や大阪で氏が過ごした思春期の思い出をつづっただけ、ではありますが、読ませます。
持ち重りする童貞、大学生初期の焦燥感、今となってはわからない60-70年代の思想な感じ、など。現代の中高生が読んでも感じ入る何かがあります。
……「小さいころからよく出来たお子さん」が半ばグレそうになったとき、これを読ませてみてはどうでしょうか。
本人の頭がこじれる危険性大ですが、警察の厄介になるタイプの不良にはならずに済みますよ。
2年ぶりの更新
転職だのなんだの、色々とありまして、ブログをほったらかしにしてしまいました。
また思い出したようにやります。
ふわふわの泉
野尻抱介の『ふわふわの泉』、読みました。
化学好きの女子高生がひょんなことから立方晶窒化炭素(=「ふわふわ」。ダイヤモンドより硬い物質なのに空気に浮かぶほど軽い物質)の製造に成功。それを売って大金持ちになるというお話。
この作家さんの作品は『南極点のピアピア動画』しか読んだことがないんですが、両作品とも「超絶革新的な技術が世の中に出てきた! じゃあ世界は社会はどうそれに対処する!?」ってテーマが明るく軽く描かれています。ありがちな難詰な文章と重苦しい作中雰囲気がない。
もし小学生ぐらいの子どもに「理系に進ませたい」と考えているのなら、図鑑だのサイエンスショーだのよりも、こういう本を経由させるってのも面白そうです。
ところで久しぶりにリアル書店で本を買ったんですが、レジのお姉さんが物凄くタイプでした。
期末の1週間を乗り越えるための癒しになりました。